料理人の矜持 その4.5

Come Together

本編が全然進まないにもかかわらず間に挟みます。

「COME TOGETHER」というレシピブックが出版されました。世界中の素晴らしいシェフ84名(6大陸、34カ国より)のレシピを100種類掲載しています。

ガストロノミーライターであるFlavel Monteiro氏編で2019年に発売されていた「LEGACY」というレシピ本を再編集したもののようです。

現在コロナ禍において世界中が疲弊する中で「COME TOGETHER(一体になる)」というタイトルに改め、それを3週間だけ無料でオンライン配布しています。

https://www.finedininglovers.com/article/download-100-recipes-worlds-finest-chefs

もちろん私もダウンロードさせて頂き読みました。見るだけでも美しい、トップシェフ達の至極の料理が載っています。日本からは「NARISAWA」の成澤由浩氏が2つのレシピを掲載されていました(他の世界のシェフよりも繊細で緊張と期待が同時に高まる素晴らしいレシピで、同じ日本人として誇らしかったです。そしてはじめて知多半島のご出身だと知りました)。

一流の料理人達の料理は難解な折り紙のようで、折るのには技術と時間を要すため一朝一夕では出来ません。しかし見る(食べる)側には美しく、なにより楽しい(美味しい)です。もちろん、定番の鶴だってやっこさんだってわかりやすくて良い折り紙ですし、それを羽ばたかせたり、だまし舟を作って昇華させることもできます。

要は「料理人の矜持」とは自分が「どの折り紙を折るのか」を認識していることにつきると思っています。

閑話休題、一流の料理人達の英知を一冊の本に集約し、世界が大変なこの時期に無料配布する。それによって何が変わるかはわかりませんが、少なくとも何かが変わるかもと信じて快諾された方々を尊敬します。そしていつか食べに行けたらいいな、と思っています。

ご興味のある方は是非リンクよりダウンロードしてみて下さい。