丁寧に作る美味しい野菜

東古瀬戸町の自家農園「ark.farm」では栽培期間中に農薬を使わず、有機肥料のみを施して野菜やハーブを育てています。
にんにくや鷹の爪を使った防虫剤、玄米発酵液や米糠を使ったぼかし肥料、生ごみを使った堆肥など、自家製の材料を主体に土づくりを行っています。
収穫したものは「cafe甘ぱんだ」や「PANDA couture」でご提供しています。

Blogのカテゴリー「ark.farm」に栽培中の野菜や土づくりについて掲載しておりますのでご覧ください。

瀬戸に特産物を作る。

※2022年6月3日ブログ「料理人の矜持 その9.5」にて過程及び状況の変化を書きました。結論だけ述べると「特産物を作る」という動きは一旦延期となりました。アーティチョークは引き続き栽培し美味しい料理や活用方法を研究していきたいと思っています。

「瀬戸に残るなら瀬戸のために自分ができることは何か」と考えたどり着いたものの一つが「瀬戸の特産物を作る」ということでした。
どこかへ旅行する際の代表的な楽しみは「食」という人も多いのではないでしょうか。私自身が国内外問わず旅をする中でそうでした(料理人なので当たり前かもしれませんが)。その地域でしか食べられない食材や伝統的な調理法はとても魅力的です。
しかし私が知る限り、瀬戸に「特産物」と呼べるものはありません。確かに「瀬戸焼そば」や「うなぎ」などローカルフードはありますが、それらはすでに完成品であり食材ではありません。
もちろん特産物があるからと言ってそれだけを目当てに人が集まるかといえばそうではないでしょう。しかし「選択肢のひとつ」となることは確かです。そして幸いにも私は料理人でその特産物を生かす方法を考えることができます。

色々と悩んだ末に特産物候補として「アーティチョーク」を選択しました。アーティチョークは日本ではまだまだ認知されていませんが、欧米では一般的な野菜です。私がアーティチョークを選んだ理由は「珍しいから」以外に3つあります。

①味が淡白でクセがない
見た目とは裏腹にクセがなく、食感は百合根のようで、味わいは五味全てを含むと言われます。

②使える部分が多い
ものに対して可食部は少ないですが、茎や葉はお茶に(シナリンという肝機能を改善する成分が含まれる)、花は観賞用にすることができます。

③瀬戸と縁がある
瀬戸でノベルティ事業が全盛の頃、アーティチョークの紋様がついた製品を作り欧米へ輸出していたそうです。そして瀬戸を代表する画家北川民次の1964年の絵「瀬戸はないっぱい」にはアーティチョークの花が描かれています。

以上3点がアーティチョークを選んだ理由です。
2020年初年度の春夏期、6株をプランターで栽培して、無事開花、収穫、調理まで行いました。来年は株数を増やして地植えで育てます。「特産物」と呼べるのは何年、もしくは何十年も先になってしまうでしょうが少しずつ広げていくつもりでいます。ブログで随時発信していきますのでご興味がある方はご覧になってみてください。