Pan con tomate~トマト・ハモン・パン~

パンコントマテ

最近はスイーツの写真ばかりアップしすぎて「お菓子作りの人」と思われがちなため、本来の「料理人」としての直近の仕事を料理解説も交えてご紹介していきます。

先週のPANDA coutureではスペインにゆかりのある方がお客様でいらっしゃり、お料理内容もお任せ頂いたため、「伝統料理の分解と再構築+和食材」という私の中では古典的になりつつある手法でフルコースをご用意しました(8000円/1名様)。

1皿目は「Pan con tomate~トマト・ハモン・パン~」です。「パンコントマテ」とはカタルーニャ地方で食べられる料理で、パン(固いバゲットやカンパーニュ)に固めのトマトをこすりつけてオリーブオイルをたっぷりかけて食べる、というシンプルなものです。

この料理の再構築は以前のレストランでも色々と調理法を変えてメニューに入れており、その中でもオープンした2007年7月の月替わりコースの前菜が今回の料理に似ています。

そこから14年経っていますが、見た目は似ていても中身は全く違うため(当たり前といえば当たり前ですが)何だか勝手に私ひとりで安心していました。

さてこのグラスの前菜、一番下には皮を剥いてコンポートにしたブルーベリーをシェリーヴィネガーにさっと漬けたもの、その上がトマトのジュレ、一番上は極薄のパンという構成になっています。

トマトのジュレはark.farmで収穫したばかりのトマトから透明の液体をとり、それを凍らせて解凍する際に余分な水分を捨て濃縮させた液体で作っています。

パンはイタリアの00粉を使い、パリっとするピッツァ生地を作り、それにハモンセラーノ(スペイン産白豚後ろ足の生ハム)を挟んでパスタマシンで薄くのばし、芯に巻き付けて焼いています。

かき氷の中にそのグラスを差し込んで全体にトマトの粉を散らして完成です。

2皿目に続きます。

※新型コロナウイルス感染者が瀬戸市でも急増しています。瀬戸市は21日よりまん防適用地域となりますが、緊急事態宣言発出の場合には「甘ぱんだ」及び「PANDA couture」をお休みさせて頂きますのでご了承ください。