最後の7皿目は「鯛王 塩パートの包み焼き」です。
「鯛王」は鹿児島県の東町漁協が徹底した管理育成によって作り出す高品質な養殖真鯛です。この鯛の美味しさをオードブル(もうすでにオードブルではないですが)としてご提供するために選んだのが「包み焼き」です。
はじめはパートフイユテを使ったパイ包み焼きなどを考えましたが、あくまでパートを「脇役」にしたいと思い、塩釜焼から着想を得て塩、卵白、小麦粉で「塩パート」を作ることにしました。これは塩釜焼と違い「長時間置いても塩辛くなりすぎない」というメリットがあります。
鯛を三枚におろし、身側に塩をしてハモンセラーノ、自家製ドライトマトを挟み、皮側に乾燥させたレモングラスを被せて、内側に卵黄を塗った塩パートで包みます。230℃のオーブンで焼いて休ませてを繰り返して程よく火を通して完成です。添えたソースはアリオリやルイユをイメージにしたもので(ただしにんにくは使用せず)、鯛王のアラのスープを入れて軽めに仕上げました。
桃の節句から1か月経ってしまいましたが、以上7種を桃の節句オードブル(お一人様10000円)としてお客様にお届けしました。召し上がったお客様から喜びの声を頂戴したことがとても嬉しかったです。