桃の節句オードブル その5

パテアンクルート1

5皿目は「パテ アンクルート」です。

フランス料理の王道ともいえるオードブルで、パートブリゼ(練り込みパイ生地)の中にバルバリー種の鴨胸肉や鴨のフォアグラ、豚ロース、ドライクランベリー、ピスタチオなどを入れて焼いたパテの一種です。

パート(生地)は甘ぱんだでも使用している北海道産の薄力粉、明治の発酵バターで作りました。パートブリゼを作る際の薄力粉は国産のものよりイタリア産の00粉という非常に細かく粉砕された粉の方がサクサクに仕上がるとされていますが、今回はタンパク質含有量がわかっている慣れた薄力粉を選択しました。

ファルス(具材)は調味した上で、クリーム(オロロソという分類の辛口にペドロヒメネスという極甘口のシェリーを加えた甘口のシェリー)、コニャック、ナツメグ、クローブなどで香りづけをして一晩マリネします。

伸ばしたパートをトヨ型にしっかり敷き込み、隙間があまり空かないようにファルスを詰め込んで焼いていきます。

パテアンクルート2
パテアンクルート3

この料理の難しいところは「パートとファルス両方に丁度よく火が通るような温度管理」です。パートをサクサクにしようとするとファルスに火が入りすぎてしまうため、私はパートの適温をベースに、ファルスそれぞれのカットの大きさで調整をして大体の火の通りをイメージします。

さらにもう一つこの料理の特徴として穴を開け煙突のように筒をはめた状態で焼き、冷ました後にそこからコンソメのジュレを流し込んで固めるという調理工程があります。そこもまた難しく、パートをきっちり敷き込めていないとこの工程でコンソメが漏れて、、テンションが下がります。

今回は鶏のコンソメをジュレにして流し込み(無事漏れませんでした)、冷やし固めてカットし、「へきなん美人」という人参のラぺを添えて完成です。

6皿目に続きます。