お客様から「桃の節句オードブル」のご注文を頂きました(全7種・10000円/1人前)。
1皿目は「3種のムース(PANDA couture的菱餅)」です。
お客様から「お雛さまの料理も一品以上」というご要望を頂戴したので、まずはこちらをご用意しました(ベタですが)。
一番下はクレソンのピュレにフォンドヴォライユ(鶏のスープ)を合わせて作ったムース、真ん中は帆立のピュレにフュメドポワソン(魚介のスープ)を合わせて作ったムース、一番上はパプリカのムースにフォンドオマール(オマール海老のスープ)を合わせて作ったムースです。
生クリームの立て方を各層毎に少しずつ変えて食感が同じにならないようにしています。
ここからは少し横道にそれる話で、英語の「soup」、いわゆる日本語の「出汁」についてです。
私はスペイン料理をやっていたので出汁といえば「caldo(カルド)」と言うはずなのですが、上記のように「fond(フォン)」や「fumet(フュメ)」と言っています。これはフランス料理の用語です。
フランス料理は、16世紀にカトリーヌ・ド・メディシスがそのときの最先端であった「イタリア料理(+食事マナー)」をフランスに持ち込んだことから、宮廷料理に発展し、フランス革命を経て下野し、アントナン・カレームやオーギュスト・エスコフィエによって体系化されて現在に至ります。
そのような歴史を経たフランス料理の出汁のとり方は他の欧州の国より抜きん出て繊細で丁寧なため、私は出汁をとる時はフランス式で行うようにしています、というのが上記の言葉を使う理由です。
ちなみに魚料理のときはまず和食の魚の扱いを参考にしてメニューを考えます(さらに蛇足)。
2皿目に続きます。