日本酒に合うスペイン料理を

旬野菜のエスカリバーダ

というご依頼を頂きました。ご人数は3名様です。

『全5品(デザートなし、日本酒は先方がご用意、主に取り分け料理、出張料込お一人様5000円)』

まず一皿目は「旬野菜のエスカリバーダ」。エスカリバーダは野菜のグリルです。皮付き野菜を黒焦げになるまでオーブンで焼いて、その部分を除き中の身を使う云わば「焼き茄子」のような料理で、本来はそれこそ茄子やズッキーニを使うのですが、それらは使わず旬の野菜を使いました。「あやめ雪(蕪)」「菊芋」「宇宙芋」「安納芋」「寅ちゃんネギ」「赤パプリカ」の6種類の野菜を焼き、ケッパーとアンチョビのソースを合わせて仕上げました。

グリルする前の野菜
グリルした野菜

続いてはマッシュルームと砂肝のアヒージョ。これには「 aime le pain 」さんのバゲットを合わせました。

マッシュルームのアヒージョ

そして魚料理は「子持ち鮎のアル・オルノ」、アル・オルノはオーブン焼きです。スペインでは「魚料理と言えばオーブン焼き」というくらいオーブンで魚を焼きます。表面がカリッとなるように高温で焼いて、セルバチコのアリオリを添えました。

串を打った鮎
鮎のアルオルノ

肉料理は「蝦夷鹿すね肉のエストファード」、赤ワインやトマトを使った煮込み料理です。すね肉は揚げるくらいの量のオイルで表面をしっかり焼き、骨付きのままで3時間、煮汁を漉して、肉を骨から外してさらに低温で2時間煮込んでいます。味付けはビーツや隼人瓜といった付け合せの野菜の甘みと塩のみ。あえて醤油は使いませんでした。

鹿すね肉
鹿のエストファード

締めには「アロス・ア・バンダ」を。パエージャの一種ですが、豪華な具はのせず細かく切った海老やイカなどで出汁を取り、極力シンプルに作るお米料理です。日本酒に合わせるということで昆布とカツオの合わせ出汁と鯛の出汁を使い、サフランを加えてスープを作りました。

お酒は兵庫の山田錦100%の辛口純米酒で、うまく料理に合って、皆様ご満足頂けたと思っています。